2016年7月号BaseBallクリニック

『スポーツや運動での痛み、どうして出るの?』

痛みは、嫌なものを考えられますが、人間の体の一つのサインに過ぎません。体が『負荷がかかりすぎているよ、その部位にばかり負担をかけているよ、ケアしてね、準備体操もしてね』というサインです。スポーツでの痛みも同様です。
スポーツや運動での痛みの多くは、障害と外傷があります。一般に、外傷というのは明らかな外力、ぶつけた、捻った等で身体の組織が損傷したものをいいます。
スポーツ障害とは、運動を繰り返すことによって、ある一定の部位に負担がかかり、その負担が限界を越えた時に痛みなどとして現れるのがスポーツ障害です。最初はスポーツの時でのみ痛みなどの症状を伴いますが、重症化してくると日常生活、学校や仕事でも支障をきたします。
なぜ、そのような負担がかかっているのか明確にしていくことで、重症化することは防げます。
また、負担がかかるような体の動かし方、関節の動き、筋力などを改善することで、弱点を潰し、パフォーマンスアップにも繋がることもあります。大会前の追い込みの時期、冬のトレーニング中心の時期、入学したての運動量の増加なども要因としてあり、その選手が現在の環境、将来の環境に耐えうる身体になることが再発予防に繋がります。
今後は、高校野球でいうと、3年生が引退し、新チームになっていきます。1年生はこれまでの練習とは異なるメニューに入っていくため、今までの練習では経験していないこともするかもしれません。慣れていない動きは最初ぎこちなく効率も悪く動きやすいです。想定される負荷より多くかかり、スポーツ障害などに繋がりやすくなります。そしてその後、夏休みにも入ります。夏休みは学校がないため、練習時間も多くなりやすく、ケアを怠ると練習に対する負荷が蓄積しやすい時期です。自らの疲労をその都度なくしていけることが、長期的に見て活躍していける一つのきっかけになることもあります。
スポーツ特有の動きが原因になることもありますが、何気ない生活の動きの蓄積にスポーツの動きに影響することも有りますので、幅広い視点で選手たちの動きを観る必要です。
歩き方、座り方等もその選手の動きを反映しているので、もちろんそのスポーツ特有の動きも観ますが、それ以外の動きも実は観ています。
野球では、投球・バッティングなど多くの回旋動作(体を捻るような動き)が多いです。
肘や肩、腰の痛みが、肩甲骨・胸郭や股関節の動きが少なくなったことでの負担から引き起こすことがあります。なので、学校での座り方、職場での姿勢などから股関節などの動きが少なくなり、いざ野球をする際に負担のかかった部位が痛みとして起こることが有ります。
その選手が自分の問題を理解できることで、一緒に復帰、再発予防に向けて進むことができますので、その説明も欠かせません。
理学療法士は、その選手に今一番最適なものを選択し、復帰に向けてのお手伝いしていきます。
また、野球特有の動きについては、監督やコーチ、トレーニング内容についてはコーチやトレーナーとの情報交換が必須です。
なぜ、怪我をしてしまったのか、なぜ、痛みが出たのか、今後どのように予防していくのか、野球特有の動作ももちろん普段の生活や動きからも考えて、早期復帰・再発予防を目指していきましょう。

てるクリニック
理学療法士 玉城潤

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